回答書要約と見どころ

さすがに全文読めんやろってことで要約と見どころだけ再アップ。これは要約者の視点ですが、けっこうポイントはおさえている。理事会のいうこともちゃんとしりたいってひとは下の全文に目を通してください。


回答書を4行で要約するなら

雇い止め制度は維持する。その理由は、入学者確保がおぼつかなく共通教育センターの方針も決まっておらず、一律でくびにする方式をとっていないと雇用調整がしにくいから。嘱託教職員全部があんたら組合みたいに文句いってるわけじゃなくて、それぞれの目標にむかって努力しとるからそれでよい。精華の理念は昔のはなし、いまはそんなふうにいってたら大学つぶれます。3年上限の契約書にサインしたんだからあんまり文句はいうべきでない。ついでに小屋も撤去してね。


ほぼそんな感じじゃないでしょうか。


見どころはいま書けるところだけあげると次の4点。回答書では「(4)嘱託教職員が前を向いて働けるような雇用形態の検討結果」に集中している(と思う)。


①「もとより、嘱託教職員の方々には専任と同等の業務内容や義務を求めるものではなく、限定された分野での能力の活用を期待しているものです。それにともなって権利と賃金も異なっています。雇用継続期間も、それぞれの就業規則に定められた期間が上限となります。そうした中で、必ずしも嘱託教職員全員が前を向いて働いていただいていないとは認識しておらず、積極的に働いていただいている方々も多数おられることと思います。また、次のキャリアに向けてスキルアップしようと努力されている方々も多数おられることでしょう」


②「かつて本学は、教員(非常勤講師を除く)・事務職員・用務職員・寮母が全て専任で同一給与体系でした。そして教職員が等しく大学の将来に責任を持とうと考えて運営していました。その時代に戻ることは不可能です」


③「現在、ほとんどの私立大学が特任教員、嘱託教職員、派遣職員といった形態の教職員を多数雇用し、できるだけ安い授業料でできるだけ質の高い特色ある教育を実施しようと競合しています」


④「このような日本の高等教育の現状にあって、本学だけがかつて理想とした教職員の雇用状況に戻ることはできません。戻ることは、ほぼ大学の廃止を意味するでしょう」


①についていうと嘱託教職員には「専任と同等の業務内容や義務を求めるものではなく、限定された分野での能力の活用を期待している」という部分がちょっと理解できない。たとえば日本語リテラシー教育部門にはひとりの専任もいないが、そういった嘱託だけで運営されている部署においても、限定された分野での能力の活用が期待されているなんていえるのだろうか。それとも実は専任がまぎれこんでいる? あと各部署に嘱託職員のひとたちがいるけど、専任のひとと「同等」ではない、限定された業務をおもにおこなっているのだろうか(これはきいてみたい)。たとえば精華のなかでも人材のアウトソーシングを積極的にすすめた情報館において、藤岡次長は「多くの人は嘱託や非専任をランクの低い、専任の仕事の手伝いと発想していますが、情報館ではそうではなく非専任の管理職を作ろうとしています。情報館の中での採用は許可も出ています。実は今年の7月から情報館の図書館部分には専任が1人もいません。では誰が責任をもって運営しているのかということですが、名目上は次長が運営していますが実質的な課長の職務を行なっているのは嘱託(課長執行補佐)です」って自信満々にインタビューで答えていたけれど(ネット上のあるので興味のあるひとは検索を)、それって専任がやるはずのしごとを安く下請けに出したってことじゃないのかな。つまりこの回答にはおそろしい嘘がある。専任と同じ・もしくは同じようなしごとを、権利も賃金も少ない嘱託をつかってやらせていて、そういった差別を、限定されたとか、補助的な(今回はそういう言葉は使ってないですが)って言葉でごまかしている。


②については「その時代にもどることは不可能です」と書いてるが、組合は一度もその時代に戻れなんていっていない。「人間を尊重する」っていう理念と現行制度のすりあわせをどんなふうにするのかきいたことはあるので、それに対してここまでむねをはって無理っていわれてもって感じ。1月の回答書でも更新上限撤廃要求に「専任化には応じられない」ってすりかえ回答をしていたけど(なにしろ1年契約はとりあえず問題にしていないので)、ここでもまた論点をすりかえて、組合の要求がむちゃいってる、って印象操作をしている。


③「できるだけ安い授業料でできるだけ質の高い特色ある教育」って箇所が、「できるだけ安い人件費でできるだけよさそうな見せかけの教育」のまちがいでしょ、と思った。しかしそんなことできるんでしょうかね。


④これも②と同じヒラキナオリ。極論。くれぐれもいっときますが、組合がずっと要求しているのは、1年契約で雇われている嘱託教職員の「更新は2回を限度とする」という条文の削除のみ。大学の廃止も、すべての教職員の専任化も、専任の給与の歩合給制度への移行(これは理事会が21世紀初頭に試みて頓挫)も要求しておりません。


さて、残りはほかの組合のひとにバトンタッチ。ひとそれぞれ視点はちがうだろうから。