ふりかえることなく

報告が遅くなってしまいましたが、
3月21日に労働委員会から不当労働行為の救済命令がでました。


昨年の7月に京都精華大学による不当労働行為

a.屋台や支援者による抗議行動を理由とした交渉拒否
b.組合員の再応募を書類選考のみで不採用にしたこと(組合員への不利益取扱)
c.開催条件をのまないかぎり交渉はおこなわないと組合に強要したこと(支配介入)
d.根拠や資料を示さないままのらりくらりと形だけの団体交渉を専務理事がおこなってきたこと(不誠実団交、交渉者が不適格)

などについての救済申立をしていたのが
大学側の引き延ばしや大学側にあまい労働委員会の判断でずいぶんと時間がすぎて
すでに去年の組合員の雇止めからは1年、
今年の組合員の雇止めまであと10日という
ほんとうに役に立つんかいなというタイミングででた命令でした。


「主文 1 被申立人は、申立人が、被申立人の嘱託教職員の雇用契約更新回数に上限が設けられている制度について、平成23年1月18日の当委員会のあっせんで合意されたルールに基づいて、団体交渉の出席人数は双方5名以内で申立人側は組合員以外の出席者が過半数とならず、かつ、被申立人の学生を出席させないこと及び1回の団体交渉は2時間を超えないこととの開催条件を提示して団体交渉を申し入れた場合には、これを拒否してはならない。 2 申立人のその余の申立てを棄却する。」


こまかい解説は時間のあるときにするとして
ひとことでいうなら顕微鏡で探してみてもよい点がみあたらない
しょうもない命令です。
ほぼ全面棄却。

なにをいっているかというと
労働組合がわざわざ団体交渉の条件を大学側に提示して
交渉を申し入れた場合には拒否してはならない、といっている。


条件を受け入れなければ交渉を開かないと組合に強要していた大学に
わざわざ正当性をあたえるようなもので、
もともと一切条件がないなかで団体交渉がおこなわれていた
(ほかの組合には大学側はこれまで条件をつけたこともない)精華大学の歴史を
百万歩くらい後退させる命令です。


半年近い労働委員会での救済申し立てに関する作業を経て
今回のあほらしい命令がでてつくづく思うのですが
労働委員会は有期雇用の若い労働者の権利を守るためには
ほとんど役に立たない。

まず結果がでるまでが遅すぎるし、
証拠集めや証言や
書かなければいけないものが多すぎて
とても働きながらできるものとは思えず(わたしは書くのが専門なんでまあいいですが)
命令がでたとしても
たぶんそのときにはもう次のしごとについているか
もとの職場を雇止めになっている。


大学で労働法を教えていても
非正規働くということや労働法の精神を
微塵も理解していないようなしょうもないひとたちに
判断をゆだねたのがそもそものまちがいのような気もするけれど
とにかくこれからは若い友人に労働委員会をすすめるのではなく
ハンガーストライキパイ投げでもすすめようと思う春の夜長。


ディランのDon’t think twiceの一節
「あなたのために時間をむだにしたわ でももうあんまりくよくよしないでね」という友部訳が
ぐるぐると頭を駆け巡っているのですが
それはそうと傍聴にきてくれたひと、補佐人になってくれたひと、
この間のいきさつを注意深く見守ってくれたひと、
ほんとうにどうもありがとう。

とりあえず屋台を理由とした団体交渉拒否の正当性は否定されたので
だからというわけではないですが
春からも火曜日のお昼には貸本カフェをかわらず継続していきます。

中労委にはお金も時間もないからいきません。

とりいそぎ。