京都精華大学でファシズムを考える:ボランティア?それともフリーター?――自発性と自由とのあいだ
夏休み前さいごの企画で、精華大学の客員教授の池田浩士さんをおまねきして、講演をしてもらいます。ぜひみなさんお越しください。
☆SocoSoco Presents vol.7
「就活」プレッシャーに負けないための連続講座4☆
■京都精華大学でファシズムを考える:ボランティア?それともフリーター?――
自発性と自由とのあいだ
■内容概略
1933年1月にドイツでヒトラーが政権を握った。そのちょうど1年前、
ドイツの失業状況は「完全失業率44,4%」(労働人口の44,4%が
短期・臨時の職さえない)というすさまじさだった。ヒトラーのナチ党は、
この失業を解消する、ということを売り物にして選挙に勝利し、第一党と
なった。
そして、なんと、ナチスは本当に失業をぐんぐん減らして、政権獲得から
5年後、1938年のドイツの失業率は、1,8%にまでなったのである。
では、ヒトラーはどのようにして失業問題を解決したのか?
それは、労働者・国民の自発性を最大限に発揮させることによってだった。
ここで私たちは、ヒトラーの同盟者だった当時の日本が戦争のための
労働動員をヒトラーから学んだ、という歴史を再発見するだけでなく、
私たちの今日の現実と向き合うことになる。
いま私たちが直面している過酷な労働状況は、私たちにとってじつは
どんな問題を孕んでいるのか?
「働き甲斐のある労働」とは、何なのか? 労働における「自由」とは?
「自発性」と「自由」は、労働にとっても本質的に重要な基本的人権
である。だからこそこれらは、資本と国家の側にとっても、重要な
役割を持つのである。
ナチス時代のドイツ、および同時代の日本を振り返るなかで、とりわけ
労働というテーマにそって「自発性」と「自由」を考え直してみたい。
■日時:2010年7月20日(火)18時半より
■場所:京都精華大学 黎明館L-103教室(叡山電鉄鞍馬線「京都精華大前」駅下
車、精華大構内へ足を踏み入れてすぐ目の前の教室)
■問い合わせ:京都精華大学嘱託教職員組合SocoSoco(seika_soco_soco☆
yahoo.co.jp)
池田浩士:ドイツ文学者。1968年から2004年3月まで京都大学勤務。2004年から
京都精華大学勤務。専門のドイツ文学ではルカーチやナチズムに関する研究や翻
訳を精力的に行っているが、ドイツ文学者としての枠を超えて大衆小説や死刑廃
止問題、天皇制問題、憲法九条問題などについての幅広い著作や発言でも知られ
ている。主著に『ルカーチとこの時代』『教養小説の崩壊』『虚構のナチズム』
など、おもな訳書にエルンスト・ブロッホの『この時代の遺産』(三一書房)など。