公開質問状を提出中です。

 理事会からのながいけど中身のない回答を受け取ったのが7月27日。10月15日付で、SocoSocoは理事会に対してその回答書への質問状を提出しました。

 その質問状では回答〆切を10月22日と設定していたのに、上々手さんは「答えるつもりがないという回答」さえ、木野祭が終わるまで文書で用意できないそうです。しかもその木野祭明けに用意するという意志さえもこちらから聞くまで伝えられないひとでした。いつになったらきちんと仕事をしていただけるんでしょうか。


 嘱託で雇われているひとは、雇い始めの日づけ自体が組織に都合よく設定されているので、雇い止めになる期日は年度末3月とはかぎらないのですが、すくなくとも組合のひとは3月末に雇い止めになります。時間がない。ないのに、そんな文書回答作成(しかもゼロ回答)を悠長に待っているのは我慢なりません。


 「公開質問状および団体交渉申し入れ書」は、前回の理事会からの回答を受けているので、そのままよむとちょっとわかりにくいですが、要点は、

  • 一部署の方針の未決定がすべての部署の嘱託教職員の雇用期限の設定につながるのはどうしてですか?
  • 嘱託は一律平等に首にするといいますが、2009年度末に同じ部署内で平等に首にはなりませんでした、どうしてですか?
  • 嘱託教職員の業務範囲・内容が限定されているようには見えません。どのように限定しているのでしょうか?
  • すべての嘱託教職員が前を向いて働いていないわけではないと、職場で(すくなくとも私は)見かけたこともない理事会のひとがどうやって知ったんですか?もしそのようなすばらしい調査をされたことがあるのなら、ぜひ報告書をください。
  • 雇用契約の更新上限の撤廃は、嘱託教職員の専任化ではありません。どこをどう勘違いすると、この2つの要求がごちゃ混ぜにできるんですか?
  • 成立した契約に文句をいうなとのことですが、成立していない契約で労働争議はできません。
  • 小屋を撤去しないから団交拒否というのは労組法に抵触しています。
  • 話しあいはまだ終わっていません。団体交渉再開を要求します。

このぐらいですかね。どうでしょうか。


 以下、10月15日付でSocoSocoから提出した「公開質問状および団体交渉申し入れ書」の全文です。適宜、改行などくわえて体裁をweb用にととのえてあります。

                                  • -

公開質問状および団体交渉申し入れ書

 2010年7月27日付学校法人京都精華大学理事長名で出された回答書(以下、回答書)に対して、以下のことを質問します。10月22日(金)までに文書での回答をよろしくお願いします。それに加えて、その内容について話をするために11月中の団体交渉の開催を要求します。

<「共通教育の改革」についての質問>

1. 回答書2頁には「(共通教育センターの)改革実施案が成立するまでには、残念ながら多少の時間を要します。改革実施案の内容が見通せない現状では、人的体制について具体的な検討ができません。そのことを先行して決めることはできないと考えています。現在の嘱託助手の雇用期間の見直しができないことの理由の一つは、以上の状況認識にあります」と方針の不在が、嘱託助手の契約上限を延長することのできない理由のひとつとしてあげられていますが、現在その方針は定まったのでしょうか。多少の時間は過ぎたかと思われますがいかがでしょうか。

<「通算契約期間が3年以内であることの弊害の検討」についての質問>

2. 回答書2頁には「3年を超える雇用契約をしないことは、教育力の損失であると言える面があるかも知れません。しかし、人的教育体制を固められない現状では、大学はその損失を受容しなければならないと判断しています」とありますが、「教育力」とはなんでしょうか。また、「人間を尊重する」という創立時の理念と、「教育力の損失」というどこか生産性の低下を髣髴とさせるようないいまわしにはどのような関係があるか説明してください。


3. 回答書3頁には「誠意をもって働いていただいている方々のうち、ある特定の方を雇い止めにする相当な合理性について、一般的に説明責任を果たし切ることは難しいでしょう。そこには、公平性の確保の視点が相当程度必要になります。従って、そういったことを実施することを前提に雇用制度を作るべきではありません。こうしたことから、一律に更改回数の上限を設定し、それを明示して雇用契約を結ぶ現在の制度を維持すべきであると考えています」とありますが、2009年度末には日本語リテラシー教育部門で契約上限をむかえた嘱託教員4名のうち、2名が特任に雇い替えになり、その一方で2名が雇い止めになりました。しかし、そのことに関しては言葉をつくすどころか一切の説明がおこなわれていません。回答書では、ある特定の人間を雇い止めにする合理性についての説明責任がはたせない、つまり、人間の選別ができないといいつつ、選ぶような運用が実際におこなわれていることについての見解を示してください。

<「嘱託教職員が前を向いて働けるような雇用形態の検討結果」についての質問>

4. 回答書の3頁には「共通教育センターについては、既述の通りですが、それ以外の嘱託教職員についても、現行の雇用期間上限の延長は、予定していません」とありますが、その理由を具体的に説明してください。センター所属以外の嘱託教職員の条件をより悪い方にあわせる理由を説明してください。


5. 回答書3頁には「もとより、嘱託教職員の方々には専任と同等の業務内容や義務を求めるものではなく、限定された分野での能力の活用を期待しているものです。それにともなって権利と賃金も異なっています。雇用継続期間も、それぞれの就業規則に定められた期間が上限となります」とあります。それでは、各部署でどのように専任と異なる業務内容を嘱託が担っているのかを具体的に例をあげて説明してください。また両者の業務内容が同じようなものになっている場合、どのように権利と賃金が保証されるのか説明してください。


6. 回答書3頁には「雇用継続期間も、それぞれの就業規則に定められた期間が上限となります。そうした中で、必ずしも嘱託教職員全員が前を向いて働いていただいていないとは認識しておらず、積極的に働いていただいている方々も多数おられることと思います。また、次のキャリアに向けてスキルアップしようと努力されている方々も多数おられることでしょう」とありますが、「嘱託教職員全員が前を向いて働いていただいていないとは認識して」いないということの客観的な根拠はどこにあるのでしょうか。もし、これまで精華の嘱託教職員を対象に行われた満足度調査があれば、その年度と結果にはどうやってアクセスできるのか教えてください。


7. 回答書4頁には「働き甲斐のある職場環境作りの方法・手段は、何も雇用期間の延長だけであるとは限りません」とあります。では、これまでに実施された・もしくはこれから実施予定の嘱託教職員にとって「働き甲斐のある」職場環境作りには具体的にどのようなものがあるのか、説明してください。


8. 回答書4頁で示されている「かつて本学は、教員(非常勤講師を除く)・事務職員・用務職員・寮母が全て専任で同一給与体系でした。そして教職員が等しく大学の将来に責任を持とうと考えて運営していました。その時代に戻ることは不可能です。その時代は、他大学においても専任での雇用形態が主流を占めており、例えば今では見られなくなった電話交換手という職種の方も、多くの大学で専任職員としての雇用でした」という漠然とした見解が、組合の要求する3年雇い止めの廃止とどのように関係するのか具体的に示してください。ちなみに組合は嘱託教職員の専任化を求めたことも、過去の精華の雇用形態にもどることを要求したこともありません。


9. 回答書4頁には「ほとんどの私立大学が特任教員、嘱託教職員、派遣職員といった形態の教職員を多数雇用し、できるだけ安い授業料でできるだけ質の高い特色ある教育を実施しようと競合しています」という認識が示されていますが、精華大学の嘱託教職員の雇い止めに関していえば、5月13日の団体交渉の時点で「3年上限には経営的なメリットがない」との理解が理事によって示されています。上記のように、組合が要求しているのは、雇用形態の一律化ではありません。雇用上限の維持は、どのように「安い授業料」に貢献しているのか、あらためて試算結果とともに具体的に説明してください。 

<「関連する意見」に関連する意見と質問>

10. 回答書「(1)契約の履行」の部分で「被雇用者が労働条件の改善を要求する権利は、既に成立している契約についてもあることは理解しています。しかし、現在の契約は成立し存在しているわけですから、この契約についての認識をもう少し示していただくべきだと思います」とありますが、わたしたちは成立していない契約の下では、そもそも被雇用者になることができません。つまり労働争議が使用者と被雇用者間で行われるものであるという一般常識にてらして考えれば、奴隷労働でない以上、交渉の内容が成立した労働条件をめぐるものになることは、避けることができない必然であると思われますがいかがでしょう。


11. 回答書「(2)悠々館前広場の不法占拠」の部分で「現在、悠々館前の広場に、貴組合の「活動拠点」である小屋が建てられており、主として学生の交流や作品発表のための場所として大学が整備した空間を不法に占拠しています。いかに労働運動のためであろうと、本学に教員として勤務する者が、学生のために整備された空間を不法に占拠する行為は、許されるべきものではありません」とあります。組合としては、小屋は純粋な争議行為であると考えています。上々手専務理事は、小屋の存在を理由にこれからの団体交渉を拒否すると7月27日の団体交渉の場で宣言されましたが、小屋があることは交渉を拒否する正当な理由にはなりえません。正当な理由がなく団体交渉を拒否することは労働組合法第7条2項で定められた不当労働行為にあたると申し添えておきます。


以上