ノーベル文学賞と「Tiger」


写真の白い家はかつてトーマス・マンが小説に書いたブッデンブロークハウス
マンの親の代のひとたちが住んでいました
いまは一応観光名所のひとつです


ブッデンブローク家は名門商人の家系でしたが没落し
小説の終盤で家は当時力を持っていた新興の商人に売り渡されます



いまその家のとなりにうつっている「Tiger」は
1ユーロショップ(100円ショップの欧州版)で鍋もヤカンもはないですが
だいたいの生活用品はそろいます


ブッデンブローク家の人びとも小説の舞台になった100年後に
隣に1ユーロショップが建つとは想像もしていなかったはず


あらゆるものを安くはやくという資本の加速は
トーニやクリスチアンの時代からあっというまに郷愁を奪い去って観光商品にするように
大学からものんびりとした時代(学ぶことにはたいがい時間がかかるものです)を連れ去って
どんどん成果や効率や経済的合理性といったつまらないものに置き換えていくようです


ちょっと話を急にもどしすぎたか

(yurii)